子育てメッセージ

 運動会を通して【2021.11月】

    主幹保育教諭 白石 実弥

  新型コロナウイルス感染症の影響で、今年は各学年がそれぞれの日程で実施させていただきました。保護者の皆様にはお忙しい中、お越しいただきありがとうございました。 
 5歳児の運動会では「オリンピア」という曲でダンスをしました。子どもたちは運動会までの間、朝と昼食後の好きな遊びの時間にポンポンを手にとり、毎日自分たちで練習をする姿がありました。2階廊下のラジカセの前で何度も何度もダンスを繰り返し、友だちと心を通わせ体を動かすことが本当に楽しそうで、見ているこちらもその姿に心が温かくなりました。「ここは伸ばすよ」「ポンポンは振るところだね」と友だちと伝え合い、自然と歌詞を口ずさむ姿は微笑ましくさすが5歳児です。リレーの活動では友だちとバトンだけでなく心も次の友だちへつないでいきます。リレーというと順位をつけてしまいたくなりますが、子どもたちは活動を進めていく中で何が大切なのかを感じているように見えます。「この子はこんなところが苦手なんだね」「この子はみんなに優しく声をかけてくれるね」「「元気に毎日挨拶をしてくれる子」と、ひとりひとり違う性格や個性をお互いが認めていることで、どんな順位であっても最後に満足した表情で自信に満ちあふれている子どもたちの顔が見られます。お互いを認め合うことは大人であっても難しいことかもしれません。しかし、子どもたちは日々の遊びや生活の中で自然と仲間を受け止め、心と心がつながりあっているように感じます。 
 5歳児のダンスの曲(オリンピア)の中に『大きな世界で 今一つになって そのバトンをつなぐんだ 喜びを分け合うんだ 大丈夫できるはず ぼくは君とならできる 新しい時代に今 ともに花を咲かせて』という歌詞があります。ダンスもリレーもひとりだけでは成り立ちません。歌詞のように仲間と思いをひとつにし、お互い信じているからこそ、喜びを分かち合うことができます。その喜びが、10月の月主題のように心はずむ体験となるのではないでしょうか。 
 相手を思う気持ちや信じる心は目に見えないことですが、その見えないものがいかに大切かを感じられる運動会となりました。目に見えないものの大切さや、一人ひとりが神さまやまわりの人々に愛されている中で生活していることに感謝しながら、残りの2学期も大切に過ごしていきたいと思います。 

 宇宙船“地球号”から“SDGs”へ【2021.10月】

    栄光学園理事長 太田 春夫

 「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」
この素敵な言葉は、旧約聖書の最初の文書「創世記」1章31節の言葉です。神さまがこの世界を創造されたという「世界観」を「神話的な表現」で記しています。3000年も昔のイスラエルの人々は、「世界は極めて良いものとして造られた」という信仰を力強く表明したのです。
 20世紀の終わり頃、「宇宙船“地球号”」という言葉が盛んに使われるようになりました。人類が月に行けるようになり、漆黒の宇宙空間に青く美しく浮かぶ「地球」の姿を映像で見ることができた人類が、全ての生命を育む、掛け替えのない母なる地球をイメージしたからだと思います。
 そして、21世紀も1/5がすでに過ぎた今日、しばしば耳にする言葉が「SDGs」という略語です。「Sustainable  Development  Goals」(サスティナブル・ディビロプメント・ゴールズ)の頭文字を取ったものですが、「持続可能な開発目標」の意味です。大前提として「誰一人として取り残さない」という力強い理念のもとで、「経済」「社会」「環境」の調和を図りながら、17の具体的目標(ゴール)が掲げられています。貧困、健康と福祉、ジェンダー(社会的性差)平等の実現、再生可能エネルギーや温暖化を含む気候変動、安全な水やトイレ、ゴミの問題等、とても身近な課題も含まれていて、すべては子どもたちの現在と将来に直結する事柄ばかりです。
 私たちは、新型コロナウイルス感染症の猛威の真っ只中で苦闘していますが、いつの日か17のゴールの一つである「健康と福祉」のこの試練を乗り越えることができるでしょう。その日を信じつつ、その日のためにも、身近な「SDGs」に、一人ひとりができる範囲で、楽しく取り組みたいものです。
 そんな私が最近気づかされたジェンダー平等への絵本、『タンタンタンゴはパパふたり』(ポット出版)『ホオナ二、フラおどります』(さ・え・ら書房)、『ふたりママの家で』(サウザンブックス社)は、とても考えさせられました。
「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。」
 この世界も、また私たち一人ひとりも、「極めて良い」存在として、造られ、愛されていることに希望を持って、このコロナ禍の不安の時代をご一緒に乗り切りたいものです。

 ことば【2021.9月】

    1歳児リーダー 佐久間 歩

  子どもたちは、暑い夏も元気に過ごしています。1歳児の子どもたちは、友だち同士の関わりが増えてきて友だちの名前を呼んだり、簡単な言葉のやり取りも聞かれたりするようになりました。
 ある日、お母さんに会いたくなり涙していた子に、一人の女の子が頭を撫でてあげていました。するとまた、もう一人の男の子が近づいてきて頭を撫でて「だいじょうぶ」と声をかけていました。子どもたちの優しさに心が温かくなりました。
 最近、ままごとコーナーでの遊びが盛んに行われています。ぬいぐるみに布をかけトントンをしたり、おんぶをしてバックを持って「行ってきまーす」と、おでかけをしたりして楽しんでいます。また、チェーンリングをフライパンに入れて炒めたり、お皿に分けたりしてごちそう作りをしています。友だちと一緒に、食べる真似をして笑い合い、微笑ましい姿が見られます。そんな穏やかな生活の中にも、時には玩具の取り合いになることもあります。Aちゃんが使っていた物から少し手を離した時に、Bちゃんがその物を使ってしまい、Aちゃんは「自分が使っていたのに・・・」という思いになります。しかしBちゃんからすると、ただ置いてあったものを使ったという感覚です。そんな時、保育者はお互いの気持ちをくみ取りながら、AちゃんとBちゃんへ言葉がけをしています。「かして」「いいよ」「まっててね」など、思いを言葉で伝えることの大切さをやり取りの中で伝えます。最近では、「かして」という言葉が聞かれるようになってきて、さらに「ありがとう」の言葉も聞かれるようになりました。
 子どもの成長はあっという間で、いつの間にこんなことができるようになったのだろう、こんなに話せるようになったのだろうと思うことがあります。一人ひとりに寄り添いながら、園で共に過ごす人たちと言葉で思いを伝え合う楽しさを味わえるよう、保護者の方々と一緒に成長を見守っていきたいと思います。

お誕生日~神さまから贈りもの【2021.8月】

   4歳児リーダー 横田詩織

 雨が続き、梅雨明けの知らせが待ち遠しい今日この頃ですね。先日、3~5歳児では7月の誕生会が行われました。今年度は保護者の方を招いて、5歳児はホール、3・4歳児は各クラスでお祝いをしています。誕生会の中で、保護者の方からお子さんが生まれた時の思いや好きな所のお話を聞かせて頂いています。そのお話を聞いて、誕生児が照れながら嬉しそうに笑う姿に、友だちも思わず笑顔になる、そんなあたたかい時間をみんなで過ごせることを嬉しく思います。
 誕生日は、子どもたちにとってひとつ大きくなる特別な日です。誕生日や誕生会が近づくと、「お誕生日、もうすぐだ~」と心待ちにしています。クラスでも「○○くん、もうお誕生日なった?」「明日、○○ちゃんのお誕生日だね」と、自分のことのように友だちの誕生日を楽しみにする姿が見られ、とても微笑ましいです。ご家庭では家族の皆さんに、園では友だちや保育者に祝福してもらい、自分の存在を認めてもらうことの喜びや愛されていることを感じます。その経験が友だちの誕生日も一緒に喜んでお祝いする姿へつながっているのかなと思います。大好きな友だちが増えることで、この喜びも増えていきます。自分だけでなく、友だちの誕生を嬉しいと思う心が育っていくことはとても素敵なことだなと思います。
 私の大好きな絵本のひとつ『かみさまからのおくりもの』という絵本をご紹介します。赤ちゃんがうまれる時、みんなに神さまからの贈りものが届きます。赤いほっぺの赤ちゃんには「よくわらう」を。大きな赤ちゃんには「ちからもち」を。泣いている赤ちゃんには「うたがすき」、すやすや寝ている赤ちゃんには「やさしい」を・・・など。赤ちゃんは、神さまからの贈りものを受け、それぞれ素敵な子どもに成長していきます。園でも子どもたちは一人ひとり、神さまから頂いた贈りものである個性をのびのびと発揮して過ごしています。
 オリーブの木の保育方針の1つに「一人一人を大切にする保育」とあります。子どもたちは自分が愛されている受け入れられていると感じることで、その個性をさらに発揮していくことができます。これからも子どもたちが自分らしさをキラキラと輝かせて過ごせるよう、一人ひとりが与えられた「神さまからの贈りもの」を大切にしていきたいと思います。

達成感【2021.7月】

  2歳児リーダー 海村香予

 気温が上がり、園庭では汗をかきながらも体を動かしたり、水遊びを楽しんだりと元気いっぱいの子どもたち。手足の力がつき、登り棒や太鼓橋に挑戦するなど子どもたちの活動範囲も広がってきたように感じます。3~5歳児は、0~2歳児の子どもたちに対し優しく声をかけ、手をとり一緒に遊んだり、世話をしたりと、異年齢での関わりも増えこども園ならではの光景もみられます。
 0歳児クラスのそばに、はしごのかかった木があります。子どもたちが木登りを楽しめるさくらの木で、毎日木登りに挑戦する子どもたちの姿を見かけます。登れる高さはもちろんそれぞれ違い、木の枝に腰掛けられるほど上まで登る5歳児。それを憧れの眼差しで眺める小さい子たち。自分も高い所まで登りたいと、たくさんの子どもたちがこの木に集まっています。
 そんな中、4歳児が木登りする姿を傍でじっと見つめている2歳児の男の子。保育者が彼に「登ってみる?」と声をかけると、はじめは首を横に振りました。その後もしばらくその場を離れず、彼は木を見上げます。保育者がまた声をかけると、小さくうなずきました。いよいよ挑戦です。真剣な眼差しで、はしごを握ります。ゆっくりと1段目。少し間をおいて2段目。そして彼は保育者の顔を笑顔で見つめます。周りから見れば、はしごを2段登っただけかもしれませんが、彼にとってはとても高い所まで登った気持ちなのです。「すごいね。できたね。」と保育者が声をかけると、得意げに降りて登ってを繰り返します。その表情に喜びと達成感が溢れていました。その姿を見ると、私たちもとても嬉しくなります。
 私たち大人は、「危ないから」と言って子どもたちのやりたい事をつい止めてしまう時もあります。ですが、子どもたちの挑戦したい気持ちを大切にしできた喜びを一緒に味わうことで、子どもたちの達成感を何倍にもできたら、素敵なことではないでしょうか。これから、さらに体力をつけ活動的になっていく子どもたち。「できた!」「うれしい!」を一緒に感じながら、子どもたちを見守り過ごしていけたらと思います。

虫の命【2021.6月】

 5歳児リーダー 本田美幸

 5月も半ばを過ぎ、入園した子も進級した子も新しい生活に慣れてきて、心も体も活動的になってきました。同じように、園庭の虫たちの動きも活発になってきたようです。子どもたちは、冬の寒い時期から「虫がいない」「虫探しがしたい」とずっと園庭の虫の登場を心待ちにしていました。ようやく春になり暖かくなってくると、まずアリが姿を見せます。そういった自然の変化に子どもたちはとても敏感で、すぐに見つけて「アリがいたよ!」と友だちや保育者に伝えたり、観察したり、捕まえたりして遊び出します。たとえ虫がちょっと苦手でも、てんとう虫が帽子にとまります、蝶々がひらひら飛んできます、友だちが手のひらにダンゴムシを乗せて見せてくれます…子どもたちは不意に虫たちに出会い、親しみを持つ経験をたくさんしています。
 子どもたちと小さな命をもった生き物とは、とても近い関係にあると感じます。子どもたちは、命があって、動いたり、捕食したりする虫の姿を見るのが大好きです。クラスの中では、それぞれの年齢に合った内容で、季節に合わせた虫を題材にした絵本や紙芝居が人気です。虫の存在にドキドキしてしまう子もいますが、自分とは違う生き物に、みんな少なからず気付き、親しみを感じている姿があります。遊びや自然を通して子どもたちから生まれた「知りたい!」「楽しい!」「わかった!」「できた!」という思いは、大事にしたい貴重な経験です。
 ある日、外階段の隅に「てんとうのはか」という小さな紙を立て、カップに花(たんぽぽとクチナシ)を供え、真ん中に石を積んだ、てんとう虫のお墓がありました。子どもたちに聞くと、「死んじゃったてんとう虫のお墓作ったんだよ。拝んでね。」ということでした。次々に手を合わせてお祈りをしていく微笑ましい姿がありました。子どもたちなりに、いろいろなことを考え、感じながら遊んだり生活したりしているのだと改めて思わされる出来事でした。
 礼拝の中で、この世界、虫も私たちも創ってくださったのは神さまであるという「天地創造」のお話があります。神さまからいただいた大切な命は、みんな同じです。遊び相手としての「虫」、命の教材としての「虫」、これからの季節ますます種類が増え、子どもたちはまたいろいろなことを感じ取って遊ぶことでしょう。遊びながら、小さな虫の命に感謝して大切にできる心が育ってほしいと願っています。

またあした【2021.5月】

オリーブの木主幹保育教諭  吉田美和子

 新しい友だちを迎え、新年度がスタートし1ヵ月が過ぎようとしています。不安で涙する姿から、少しずつ笑顔の時間が増えてきました。涙を見せながらも、近くで遊んでいる友だちの様子を観察していて、しがみついていた保育者の元を離れて遊び出す姿に、たくましさを感じます。
 進級の子ども達は、安心して自分の生活を送っています。子ども達にとって、名札の色が変わることが大きな自信となるようです。「みて!おおきいくみさん!」そう言って、ぴかぴかの名札を見せてくれます。毎年、このやりとりをしながら感じます。4月の間に、園庭で会う3~5歳の子だけではなく、1歳児から2歳児に進級した子も、大きいクラスの子と同じように名札を見せ、喜ぶ姿があります。年齢はちいさいですが、自分が大きいクラスになったことへの自信は、大きい子ども達と同じです。
 子ども達と過ごすなかで、子ども達との何気ない会話が日々の楽しみでもあります。会話を通して、子どもの気づきや思いを感じることができるからです。子ども目線での気づきに「そんな風に見えているのか」と思うことがたくさんあります。自分の好きなこと、友だちのこと、休みの日に遊んだこと・・・いろいろな話を聞くことができます。とても嬉しそうに話している姿を見ているだけで、こちらも嬉しくなります。会話だけではなく、子ども達の姿からもいろいろ感じることがあります。1~2歳児の子ども達が外遊びに行く際に、「いってきま~す」と手を振って園庭へと出かけていきます。外でたくさん遊ぶと「ただいま~」「これからごはんたべるんだよ」と、帰ってきます。この『いってきます』と『ただいま』のやりとりが家庭のようで、園でも安心して生活してくれているのだと思う瞬間です。お迎えがきて帰る時に「ばいばい。またあしたくるからね」と言って帰っていきます。新入園の子も「ばいばい」と帰っていく姿が多くなってきました。『また明日』が、すてきな響きです。子ども達一人ひとりにとって、園が安心できる「またあしたくるからね」と思える場となるよう、今年度の歩みをすすめていきたいと思います。

良い羊飼いに【2021.4月】

オリーブの木園長  太田春夫

    ご入園、ご進級おめでとうございます。
 2021年度を迎えました。「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大の厳しい状況はまだまだ続いています。終息への見通しは立っていません。その前提で、新年度を始めていきます。もちろん、昨年度のように長期の休園、登園自粛、自由登園というスタートではありません。4月からの通常のスタート、桜が満開の中での新年度です。
 初めて集団生活に踏み出す子どもたちと、すでにオリーブの木での生活経験を持つ子どもたちと、新たな出会いと豊かな広がりへのスタートです。保護者の皆さまのなかにも、初めてお子さまを集団生活に預ける方もおられると思います。子どもたちと同様に、いろいろな不安や心配、緊張や戸惑い、そして期待を抱きながらのスタートと思います。それは私たちオリーブの木としても、皆さまと同じように新たな緊張感をもって4月を迎えています。
 このような私たちの歩みを常に見守り、導いてくださる方が、主イエス・キリストです。2021年度は、最初の日曜日4月4日が「イースター(復活)」です。新約聖書は、神さまが、十字架で死んだ主イエスを、黄泉の世界から再び立ち上がらせ、復活を通して罪の赦しと新たな希望を弟子たちに示された、と伝えています。その驚くべき出来事が「イースター(復活)」です。その主イエス・キリストは「わたしは良い羊飼いである」と語りかけてくださいます。
 私たちは誰もが神さまからたった一つの命を頂き、かけがえのない人生を一度だけ生きるように創られています。それぞれの賜物と輝きを与えられながらも、同時に弱さや限界を抱えてもいます。そんな私たち一人ひとりを、優しく見守り導いてくださるお方、主イエスが「わたしは良い羊飼いである」と一人ひとりに語りかけておられます。
 2021年度もおそらくこれまで以上に、新型コロナウイルス感染症対策を取りながらの日々が続くと思われます。様々な行事の見直しや保育そのものの見直しという経験から、失ったものの重さや意味を痛感させられました。また本当に大事な、大切な事柄にも気づかせられました。何が大切で、何を優先しなければならないのか、これからも日々見直しを続けることになるでしょう。そのなかで、保護者の皆さまとの信頼と協力により、子どもたちの健やかな成長のために、新たな年度も共に歩みたいと心から願っています。そして、私たちの「オリーブの木」全体を、常に見守り、導いてくださる良き羊飼い・主イエス・キリストがおられることに信頼して、新年度を始めていきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。