子育てメッセージ

特別な日【2022.7月】

  3~5歳児預かり保育リーダー  瀧田友季子

 毎月、オリーブの木では3~4歳児は各クラスで、5歳児は保護者の方も一緒に参加して頂き、神さまから頂いた「いのち」の誕生を喜び祝う時をとても大切にしています。私たち大人は、年々誕生日を迎える度にまた一つ歳を重ねてしまう…と少しネガティブな気持ちを抱いてしまうところもありますが…子どもにも大人にも、この世に生まれた証の「誕生日」があります。
 子どもたちにとっての「誕生日」、それは特別な日です。各クラスには誕生表があり、自分の誕生月に、顔写真が掲示されていて、子どもたちは、自分の誕生日が分かります。誕生ブックは、保育者がお子さんの手形スタンプをとったり誕生日の話をしたりして、もうすぐ誕生日を迎えることを楽しみに待ちながらお子さんと一緒に作ります。そして、誕生日当日は(長期休みや土日の場合はその前後に)保育者から、胸に誕生ワッペンを付けてもらいます。その喜びは私たちの想像以上に大きなものです。周囲の友だちからは「おたんじょうびおめでとう!」と祝福のメッセージが届き、誕生児の友だちを囲みながらみんなが笑顔になります。大好きな友だちや先生から「おめでとう」と声を掛けてもらったり、友だちの誕生日を自分のことのように喜ぶ子どもたちの様子から、みんなの嬉しい気持ちが伝わってきます。
 私は、子どもたちが自分の誕生日を心待ちにしながら過ごしている間の気持ちや、誕生日当日の嬉しい気持ちを知る度に幸せな気持ちになります。園で一緒に過ごす人と、嬉しい気持ちを共有しながら誕生日の日を迎えること、その日をとても喜んでみんなで過ごしている様子からは、たくさんの愛を感じます。
 一緒に過ごす大切な人に出会わせてくれた誕生日は本当に特別な日です。誕生日は、自分自身のこと、友だち、家族、大切な人のことを改めて想う日でもあり、「生まれてきてくれてありがとう」に繋がっているような気がします。
 いつも一緒に過ごす人が側にいることを当たり前に思う日々の中で、大切な人と過ごせることに、感謝「ありがとう」の気持ちを持って欲しいと思います。誕生日を迎え一つ大きくなった喜びから始まる一年間が、子どもたちの様々な自信や勇気となり、心がもっともっと温まって、一人ひとりが大好きな人と過ごせることに幸せを感じながら、新しいスタートができるようにと願っています。
 毎日が特別な日。誕生日はもっと特別な日。これから、大人になっていく子どもたちの心の中に、この世に生まれてきたことに「おめでとう」と「ありがとう」の気持ちが、ずっとありますように・・・。

絵本を通して【2022.6月】

 主幹保育教諭  白石実弥

 新年度が始まって1ヶ月が過ぎました。子どもたちは少しずつ新しい環境の中で自分の安心できる場所で、好きな遊びを楽しむ姿がみられるようになってきました。
  好きな遊びの中では絵本を見たり、読み聞かせをしてもらうことも子どもたちの楽しみな時間のひとつです。好きな絵本を保育者の膝の上で読んでもらったり、クラスのみんなと読み聞かせを楽しんだりと、それぞれが目をキラキラさせていることから豊かな時間であることを感じます。
 子どもたちの好きな絵本のなかに「だるまさんが」シリーズ(かがくい ひろし/作)があります。だるまさんのかわらしいまあるいボディと、なんともリズミカルな「だるまさんがころんだ」のことばの続きに「どてっ」「ぷしゅー」「ぷっ」「びろーん」「にこっ」といっただるまさんの様々な姿が見られます。そのときの表情一つひとつがなんともいえない愛らしさがあります。リズミカルな「だるまさんがころんだ」のことばは、思わずクラスのみんなで体が横に揺れたり、だるまさんの愛らしい姿の場面でも一緒にだるまさんのポーズになったりと、みんなで楽しさを共有できるのは絵本の素晴らしさです。もちろん、ひとりでじっくりとだるまさんシリーズを満喫するのもよいですね。
 近年ネット社会が進んで、スマートフォンやパソコン、タブレットなどどの家庭にもあることが珍しくなくなりました。子どもがひとりで操作をし、画面をみることも当たり前になってきているように感じます。しかし、だるまさんの読み聞かせのように、次のページを開けば笑う場面だなと準備をしていたり、絵本の言葉を一緒に口にしたりと「知っているからこそ楽しい」ということはメディアの中では体験できません。また絵本は、何度も繰り返し読むことができ、生の声でそのときの環境や時間が合うことで、さらに豊かな時間となり心も育むことができるのではないかと思います。
 6月からは絵本貸し出しも始まります。親子で楽しめる本はもちろん、紹介した「だるまさんシリーズ」もありますので、ご家庭でもぜひ親子であたたかな時間を過ごしていただけたらと思います。コロナ禍が続き、気持ちも沈みがちになりますが、子どもたちの満足した表情や笑顔を大切に過ごしていきたいと思います。

安心感の中で【2022.5月】

オリーブの木副園長  有馬仁美

 つぼみが一気に開いて華やかな満開の風景は2~3日、桜の季節はあっという間に過ぎました。気づけば木々は芽吹き、色とりどりに花が咲きだしています。新型コロナウイルス感染症の対応に追われる慌ただしい中でも、いつものように季節は移り変わっていき、私たちを和ませ、力づけてくれることを改めて感じています。
 さて、今月の聖句「子供たちをわたしのところに来させなさい。」は、子どもたちと園生活をともにしている私たち保育者、またご家庭でお子さんとともに過ごしている保護者の皆さんにとって、心に留めておきたいイエスさまの言葉です。イエスさまは「子どもを抱き上げ、手を置いて祝福」されました。子どもを一人の人格として受けとめ寄り添うイエスさまの思いを子どもたちは喜んで受け入れて、イエスさまの胸に飛び込んでいく光景が目に浮かびます。子どもたちはイエスさまがしてくださったこの言葉と行動にどれほど安心したことでしょう。世の中の常識で考えるならば、大人が子どもに先立って「ああしなさい、こうしなさい」「あれができなければ、これができなければ」と手本になりがちです。様々な事柄を「よく考えて・・・」とか「そのうちに・・・」とか、素直に受け入れることが難しい大人に向かって、イエスさまは「喜んで受け入れる子どもこそが大人の手本だ」と言われるのです。今を精一杯生きる子どもの存在は、親が親として成長するための大事なお手本なのですね。
 ドキドキわくわくしながらスタートした2022年度の園生活。すべては「安心」からの始まりです。子どもは大人が与えるものすべてを受け入れ育っていくことを思うと、新しい環境や出会いの中で、保護者も保育者もありのままの状況を受け入れ、子どもに安心感が生まれる言葉かけ、やりとりを積み重ねていきたいものです。子どもたちにとって、生活の場や人との関わりが心地よく、楽しいものとなりますように。

命のことば【2022.4月】

オリーブの木園長  太田春夫

 

 新しい年度、2022年度を迎えようとしています。新しいお友だちを迎え、新しい出会いが待っています。一人ひとりの子どもたちに、神さまのお恵みと祝福が豊かに注がれ、お守りがいつもありますように、心からお祈りしています。
 さて最近、改めて絵本に関する本を何冊か読み直しています。不安な時代に在って、子どもたちの未来に直結する豊かな言葉と絵画というArtの世界に癒やされているとも言えます。そのなかで、福音館書店の基礎を築き、会長・相談役を長年務められた松居直先生の一冊をじっくりと読み直しました。
それは、『松居直のすすめる50の絵本~大人のための絵本入門』(2008年、教文館)です。福音館書店の自社が出したものだけでなく、名作絵本として知られる50の作品が、読みやすい解説と幅広い観点や、簡潔な作家論も含めて紹介されています。
巻末には「日本小児科医会」での講演も収録されています。そこでは「ことばと命」について、深い考察が述べられており、豊かな示唆を与えられます。
「私たちは母から命をもらいました。そのとき同時に、からだをもらいました。からだは命の器です。そして命を支える力である、ことばをもらいました。この命とからだとことばとは、切っても切れぬ関係のものです。そしてつぎにもらったのが、その人の命の在り所を示す名前ということばです・・」
母の胎内にあってその声に包まれ、産まれてからもその胸に抱かれながら、絶対的な拠り所を感じ取り、大丈夫という安心を信じて生きている・・。先生は、更に、「『初めに言があった』※1のです。ことばを信じたのです。また『言の内に命があった』※2のです。この命そのものであることばを、私たちは子どもにどう伝えればよいのかが、今こそ問われています。」(同書・121~122頁)と語りかけています。
大きな声での暴力的なことばではなく、ましてや暴力そのものでは決してなく、丁寧に相手に届くことばを語り合い、語り続けること、ことばを尽くすこと・・・。今、本当に大切な課題であり、そこに希望を見いだしていきたいと心から祈り、願っています。
※1、2・・ヨハネによる福音書1章1節、4節の聖書の言